【医療裁判での戦闘】

CapHerlock2010-04-04

【医療裁判での戦闘】
 裁判をするときの留意点としてお考えいただければ良い。原告の目的は、真実を探すことと裁判に勝つことの2点だ。

1)協力医師と医師意見書(私的鑑定書)をどうやって獲得するか?
 実感としては、原告自身が探し出して説得した場合のほうが、成功率が高いような気がしている。

2)カルテの偽造箇所とその目的は、何だ? 嘘つきは誰と誰だ?  どれが嘘だ?  何のために嘘をついた?  何を隠したかった? 本当は何をしたんだ?  
 偽造と思われる箇所がなければ良いが、偽造があることを前提として考える。但し、偽造の追求はできない。「間違えたから書き直した」と言われればそれまでだ。それでも、偽造を印象づける側面攻撃ができることがある。

 これは戦略上の問題ではあるが、それだけではない。
 原告側には、裁判前の準備段階でわかっている過誤と、わかっていない過誤があるということ。

3)被告の主張の検討。なぜ、その主張をしてくるのか? 相手は、どうやって勝とうとしているのか?

 これも戦略上の問題だけではなく、原告側にわかっていたはずの過誤も、ひょっとしたら過誤とは言えないものかもしれないということ。被告の反論も謙虚に受けとめて、真実を考える機会とすること。
 もちろん、相手にはそんなことはおくびにも出さない。ふざけた反論出しやがって、と、相手を小馬鹿にした顔をしておれば良い。

4)原告側は、どんなことを言いたくて、どんな証拠や言論で、いかに攻撃をするか?  その証拠や証人の獲得方法。
 まあ。裁判ではあたりまえのこと。

5)原告側は、どの部分で、どのようにして勝つか? あるいは、どこを捨てるか? 
 これは、4)と同じような話だが、言いたいことは、ちょっと違う。時間は限られているので、全ての疑問は追及できないし、また、焦点をぼかさないために、戦闘を絞る場合がある。はたまた、あらゆる点を一斉総攻撃するという作戦もある。そういう裁判上の戦略についてである。

6)社会運動としての取り組みかた。事件は原告個人の問題だが、医療過誤の土壌は社会問題です。マスコミ対策も含めた法廷外闘争。傍聴人の動員など、裁判所への「民意」をいかに表現するか。

7)上記対応の弁護士との作業分担

 およそ、こんなところではないかと思う。これらは、原告が弁護士に相談すべき事項である。
 原告自身がこれらを補強できるか否かは、勝敗に影響するだけでなく、自身の納得に大きく関わることと思う。



※次回予告/医療裁判の原告側の費用について。