国立がん研究センター東病院の内部告発

自身と家族の人生を賭けての内部告発です。
これは、幾度となく誤りを質しても、それが実行されず、隠蔽に走る病院の組織体質を告発したものです。

★108人分のデータ見逃し 病院職員がずさん体制告発 腫瘍マーカー試薬誤使用
http://www.sankei.jp.msn.com/affairs/news/110928/crm11092821490047-n1.htm
2011.9.28 21:46 (1/2ページ)

 国立がん研究センター東病院職員の黒沼俊光氏(49)は28日の会見で、多数のずさんな検査が同病院で行われていたとする「証拠」の書類をかざしながら、“内部告発”した。

■「技師に大きな問題」

 平成19年5月、同病院で108人分のがん患者の臨床検査データが入れ替わり、医師の元に、診療している患者とは別の患者の検査データが送信される事故が発生したという。

 黒沼氏によれば、直接的な原因は、検査機器のエラーにより、患者の血液の検体がずれてしまったからだ。このミスによる患者への誤診療や健康被害はなく、該当患者には病院幹部から説明があったという。

 しかし、黒沼氏は「検査データは、臨床検査技師が画面で確認し、医師に送ることになっている。画面には患者の以前の検査データも表示され、前回データと今回のデータが大きくずれていれば、画面上に明確に表示される。ずれたデータが表示された画面を108人分も見逃すということは、担当していた臨床検査技師に大きな問題があったと言わざるを得ない」と訴える

http://www.sankei.jp.msn.com/affairs/news/110928/crm11092821490047-n2.htm
2011.9.28 21:46 (2/2ページ)

■再検査せず陽性疑い

 同病院ではC型肝炎ウイルス検査を行う際、陽性の疑いがある数値が出た場合は再検査を行い、そこでも陽性疑いが出た場合は、精密検査を行うよう報告することが、院内の規定で定められていた。

 しかし、同部では平成18年4月から19年8月にかけて行われた54件のうち、8件について、再検査を行わないまま「陽性の疑いあり」として、報告していたという。

■「現在も調査中」

 今回発覚した検査の基準値などの問題についてがんセンターは「昨年4月の独立行政法人化前に起きたことであり、現在は適正な検査態勢が取られている」と説明しているが、黒沼氏は「今も院内で調査中の事案がある」と指摘する。

 黒沼氏によると、今年7月の段階で、血液の凝固しやすさなどを測定する「APTT」という検査で、全体的に通常より低い値で出ている、という状況を臨床検査部内で確認。しかし、問題ある数値が出ても、再検査されずに報告されている例が散見されたという。

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★複数の問題指摘を無視 腫瘍マーカー試薬誤使用でがんセンター東病院
2011.9.28 20:59
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110928/crm11092821070044-n1.htm
 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の臨床検査部で誤検査が行われ、事実が隠蔽(いんぺい)されたとされる問題で、がん発生の有無を確認する腫瘍マーカーの試薬の誤使用に対し、問題を指摘する報告が部内で複数あげられたにもかかわらず、まったく生かされていなかったことが28日、関係者への取材や内部資料で分かった。

 関係者などによると、同病院では平成17年から、がん発生時に体内で増加する「βHCG」と呼ばれる成分を検出する腫瘍マーカー検査で、βHCG以外の成分まで検出する試薬を使用。19年に試薬の誤使用を把握したという。

 その際、部内では当時の臨床検査技師長宛てに「βHCGと報告しているものは試薬が異なっている」「(検査している)名称、単位、(数値が正常か異常かを判断する)基準値のすべてが誤っているのが現状」という報告書を作成。しかし、同部はそのまま間違った試薬を使い続け、事実を隠蔽したとされる。

 さらにβHCGの検査を民間検査会社に外部委託した21年にも、担当技師が「(現在使用している試薬は)βHCGのみを測定していない」とし、依然基準値も異なっているとする報告書をあげたが、これも無視されたまま、検査が外部委託されたという。

 一方、同病院職員で前臨床検査部主任技師の黒沼俊光氏(49)が同日会見し、同病院では他にもずさんな検査が行われていたと指摘した。

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★ずさん検査、2年間隠蔽 がんセンター東病院の誤検査
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110928/crm11092811390008-n1.htm
2011.9.28 11:38 (1/3ページ)
 日本のがん治療・新薬研究の最前線に立ち、自らを「がんの専門家集団」と称する組織で、ずさんな検査が行われた上に、問題が隠蔽(いんぺい)されていた。国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の臨床検査部での検査問題。病院関係者によると、腫瘍マーカーの誤使用を含め、大小あわせて39項目もの誤検査などがあったという。医療への信頼を失わせる行為であるだけではなく、日本の新薬戦略を揺るがしかねない行為だ。

■精度こそ“存在意義”

 「臨床検査の世界は『精度ありき』が大前提。正直なところ、こんなことをやっている病院があることに背筋の凍る思いだ」。東京都内のある大学病院の臨床検査技師は今回の問題についてこう印象を語る。

 試薬の誤使用以外にも判明した問題の多くは、基準値の誤設定。「基準値」とは一般的に正常な人の約95%がその数値内に当てはまる値で、検査結果が正常か、異常の可能性があるかどうかを示す。

 だが、臨床検査部で設定された数値は、「以下」とすべきなのに「未満」とされたものから、単位が本来の100万倍とされたものまであったという。

2011.9.28 11:38 (2/3ページ)
 関係者や院内資料などによると、一連の問題の端緒は平成17年に東病院の臨床検査部で検査機器や試薬が一斉に変更されたことにあるとみられる。

 血液検査機器は機械や試薬によって感度や検査法が異なる。しかし、新システムに以前から使っている基準値をそのまま入力・運用したとみられる。

 試薬の誤使用もこの時に発生。本来は「βHCG」専用の試薬を使うべきところを、「HCG」と「β」の文字が入っていた別の試薬を、担当者が正しい試薬と誤認した可能性がある。

■問題をすりかえ

 医療関係者の多くは今回の問題について「がん患者の治療に大きな影響はなかった」とみる。

 腫瘍マーカーの誤検査で、がんではない人に「がんの疑いあり」という結果が出た可能性があるものの、実際にがんが発生している人を見逃すものではないからだ。基準値の誤設定も、数値の異常が見つかれば、再度別の検査を行うため、患者への影響は回避できたのではないかという。

 ただ、がんの専門医は「『疑いあり』とされた人に、本来は必要ない検査を行うなど患者に心理的負担や金銭的な負担を与えた可能性がある」と指摘する。

2011.9.28 11:38 (3/3ページ)
 臨床検査部では問題発覚後、試薬を間違って使っていたことや、誤って基準値を入力していたことを隠蔽。院内には、「機器や試薬の変更で基準値や単位を見直した」と問題をすりかえ、基準値の変更を通知していたという。

 同部の関係者は「部内に問題を告発したら処分されるのではないかという雰囲気があった」と隠蔽の事情を説明した。

■新薬戦略影響?

 問題が与える影響は、一病院の不祥事にとどまらない可能性がある。

 厚生労働省は今年7月、世界に先駆けてヒトに初めて新薬や医療機器を投与・使用する初期段階の臨床試験(治験)を実施する国内拠点5施設を選定。東病院は、がん分野の拠点の一つに選ばれた。

 治験では、薬の投与が人体にどのような効果や影響を与えるかを正確に読み取る必要があり、血液検査をはじめとした各種検査では厳密なデータ収集が求められている。

 医療機関から検査の外部委託を請け負う民間検査会社の幹部は「今回の問題と同じことをわれわれが行ったら、直ちに信用を失い倒産するレベル」と指摘。「同病院に治験の協力を求めることに躊躇(ちゅうちょ)する企業が現れることも考えられる」と憂慮している。

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★2011.9.28 07:48
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110928/crm11092807510002-n1.htm
ずさん!腫瘍マーカー誤検査 がんセンター東病院で627件 厚労省聴取
2011.9.28 07:48 (1/2ページ)
 国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)の臨床検査部で、平成21年までの4年間にわたり、がんの発生を確認する「腫瘍マーカー検査」に使う「試薬」に、本来使うべきものとは異なるものを使用、少なくとも627件の検査が行われていたことが27日、関係者への取材や内部資料から分かった。誤った検査結果は、そのまま医師に伝えられており、その後の患者に不必要な検査などを強いた可能性がある。厚生労働省は同病院から事情を聴き始めた。病院が立地し、調査権限を持つ柏市も立ち入り検査を検討している。

 関係者によると、臨床検査部内では試薬の誤使用を19年の時点で把握していたにもかかわらず、事態を公表することなく、さらに2年間同じ試薬を使用し続けていた。他にも、検査結果が正常か異常かを判断するための「基準値」が、複数にわたり誤って設定されて運用されていたことも判明。がん治療の拠点病院がずさんな検査をしていたことで、原因究明などが求められそうだ。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110928/crm11092807510002-n2.htm
2011.9.28 07:48 (2/2ページ)
 腫瘍マーカーは、がん発生の有無を調べる検査の一つ。試薬は、がんの疑いのある人から採取した血液成分を検査する際に使う。

 今回の誤使用は、がん発生時に体内で増加する「βHCG」と呼ばれる成分を検出する腫瘍マーカー検査の過程で起きた。臨床検査部では、βHCGを単独検出する目的で行う検査にもかかわらず、βHCG以外の成分まで検出する試薬を使用。がんではない人にも「がんの疑いがある」とする検査結果が伝えられていた可能性があるという。

 19年に院内の他部から、他の検査の結果の不正確さの指摘があり、臨床検査部で調査した結果、試薬の誤使用を把握。17年から19年の時点までに計627件の誤使用が判明した。試薬名が似ていたことが誤使用の原因となったようだ。

 しかし、同部では問題発覚後も、医師らに誤使用の事実を伝えなかった。当時の関係者は「発覚によって騒ぎが大きくなるのを恐れた」と話している。誤使用は、病院が腫瘍マーカー検査を外部委託する21年まで継続していたという。

 臨床検査部ではこれ以外にも、一般的な血液検査をめぐり17〜19年にかけて「基準値」の設定を誤って運用するなど、ずさんな検査を実施していた。

 がんセンターは「過去に東病院で問題があったことは聞いているが、具体的な内容は不明なので調査したい。現在は適正な検査態勢にある」と話している。

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★医療介護CBnews
がん検査などの基準値問題で調査委を設置- 国立がん研究センター
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35639.html
 国立がん研究センター(東京都中央区)は9月28日、同センター東病院(千葉県柏市)で、検査の基準値が適切に運用されていなかったなどとして、「東病院検査問題調査委員会」を設置した。委員長には嘉山孝正理事長が就き、2−3か月後に調査結果を公表する方針。

 東病院のある柏市によると、2005年から07年にかけて、同病院が行った「βHCG」を検出するための腫瘍マーカー検査で、「βHCG」以外の成分も検出する試薬を誤って使用したため、本来は検査結果に異常のない患者も「がんの疑いがある」とされた可能性があるなどの情報が寄せられているという。

 これに対し、同センターは同日の記者会見で、使用試薬を含めて「検査方法や検査数値に誤りがあったものではない」とする一方で、検査機器や試薬を変えた際に行うべき基準値の見直しについて、「βHCG」など30項目以上で迅速な対応がなかったとした。ただし、診療上は、検査値そのものよりも時系列の変化から判断するため、診断の誤りや不必要な追加検査の実施など、患者に不利益が生じるようなことはなかったとしている。基準値の修正は09年8月までに完了したという。

 嘉山理事長は、「独立行政法人化以前のことではあるが、適切な対応ができていなかったことは非常に残念。センターとして、国民におわび申し上げる」と述べ、今後、調査委で詳しく調べるとした。

厚労省、同センターに調査を指示
 厚生労働省によると、同省には8月中旬に「公益通報窓口」を通じて、柏市に寄せられたのと同様の情報が文書で届いたが、省内で検討した結果、直接の指導監督権が同市にあることなどを通報者に伝え、文書は本人の希望で返却したという。同省は、事実関係について同センターに調査を指示しており、調査結果の報告に基づき対応するとしている。

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★2011/9/28 23:41 山陽新聞社
試薬誤使用問題、病院側は否定 告発の職員は批判
http://iryo.sanyo.oni.co.jp/news_k/d/2011092801000763
試薬誤使用問題、病院側は否定
告発の職員は批判
 千葉県柏市国立がん研究センター東病院ががん検査に使う試薬を誤使用していたとされる問題で、国立がん研究センターの嘉山孝正理事長らが28日、東京都中央区の同センターで記者会見し「誤使用はない」と説明した。

 がん発生時に増加する「βHCG」という成分だけを検出する試薬の代わりに、妊娠時に分泌される「HCG」にも反応する試薬を使用するなどしたとされる点について嘉山理事長らは、どちらの試薬でも検査に支障はないと説明。「患者に健康被害はなかった」とも話した。

 ただ、東病院では検査結果が正常か異常かを判断するための「基準値」の扱いに問題があったと明らかにし「おわび申し上げる」と述べた。

 一方、問題を内部告発した東病院臨床検査部の元主任で黒沼俊光さん(49)が同日、厚生労働省で記者会見し「ずさんな検査をし組織ぐるみで隠蔽(いんぺい)し続けてきた。到底許されない」と批判した。

 黒沼さんは、試薬の誤使用を病院側に訴えたが改善されなかったと主張。がん検査以外に、血液検査でも医療ミスが続発していたと訴えた。

 8月に厚労省公益通報したが「不正行為には当たらない」として受理されなかったとも指摘し、厚労省柏市に徹底調査を求めた。現在は病気休職中という。
(2011/9/28 23:41)

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毎日新聞 2011年9月28日 22時57分
がん研究センター東病院:試薬変更後もカルテに反映せず
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110929k0000m040121000c.html
がん研究センター東病院:試薬変更後もカルテに反映せず
 国立がん研究センターは28日、東病院(千葉県柏市)で実施した、がん患者の血液から進行状態を探る「腫瘍マーカー」などの検査で、試薬や検査法を変更した後も患者の電子カルテに反映しないまま、最長で4年間運用していたと発表した。東病院で働いていた臨床検査技師の指摘で判明した。情報提供を受け、厚生労働省は27日、東病院に事実関係の調査と報告を指示。同センターは28日、指摘された問題について調べる委員会を発足させた。

 同センターによると、東病院では05年以降、がんの状態を調べるための計35項目の検査項目について、新しい検査機器の導入に伴う基準値などの変更が生じた。しかし東病院は、旧基準値のままでも問題ないと判断し、電子カルテの変更をしなかった。臨床検査部からの指摘を受け、34項目については07年、残り1項目は09年に変更したという。変更が遅れたことにより、不要な検査を患者に強いるなど不利益は与えていないとしている。

 会見した嘉山孝正理事長は「誤りを正すよう求める意見があったにもかかわらず、組織の構造的な問題で迅速に対応できなかったことは残念」と謝罪した。

 一方、問題を指摘した東病院の黒沼俊光さん(49)=休職中=は28日、厚労省で会見。「本来使うべき検査試薬とは別の試薬を使用し、少なくとも627件の検査を行った疑いがある」と指摘した。

 黒沼さんによると、同部では、がんがある場合に増加する特定の成分だけを検出する試薬を使うべきなのに、妊娠時に分泌される成分にも反応する別の試薬を誤って使用していた。07年に問題が発覚したが、病院側は公表せず09年まで使い続けたと主張している。指摘について同センターは「誤った使用はなかった」と否定している。【佐々木洋、河内敏康】
毎日新聞 2011年9月28日 22時57分


★ガンセンター、告発職員に嫌がらせの数々「隠蔽、組織ぐるみ」
産経新聞 9月29日(木)7時55分配信

「がんの専門家集団」を称する国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で行われていたずさんな検査。28日に会見した同病院の職員で、臨床検査部の主任技師だった黒沼俊光氏(49)は検査の実態について証言、公益通報を行ったことを明らかにした。黒沼氏の家族はがんを患っているといい、「がんセンターは患者の最終的なよりどころ。その臨床検査部が医療不祥事をおかし、組織ぐるみで隠すことは許されない」と訴えた。

黒沼氏は、これまで同病院の臨床検査部で主任臨床検査技師として勤務。黒沼氏によると、平成17年に始まった基準値の設定ミスや、がんの発生を確認する「腫瘍マーカー」での試薬の誤使用のほかにも、臨床検査部では不祥事が繰り返されていたが、部外に報告されることはなかったとする。黒沼氏が再三、上司や病院長らに対し、不祥事を指摘、公益通報を行うと発言したところ、上司からは「おとなしくしていろ」などと言われたという。
乳がん患者である黒沼氏の妻(48)が18年に同病院で検査を受けた際には、黒沼氏がずさんな検査を指摘していた同僚によって検体を破棄され、データを改竄(かいざん)されるなどの嫌がらせも受けたとしている。黒沼氏が今年5月以降、その他の不祥事告発とあわせて、病院に内容証明郵便を送ったところ、「内容証明書の送付を禁止する」などとする業務命令も出された。
8月には、「臨床検査部を混乱させている」として、東病院長付に配置換えが行われた。
度重なるストレスで、黒沼氏は左目がほとんど失明状態になり、自律神経失調症も患い、現在は病気休職中という。黒沼氏は「正しいことを正しいと言ってきた。それを妨害する行為は許せない」と話した。