何のためのカルテ閲覧か?


 患者本位の医療という考え方としては、患者のカルテ閲覧は間違い。

 カルテには患者の心理的側面への対処の記述があって、それが現在進行形でオープンにされることは、その配慮を無意味あるいは害悪にするから、「患者用カルテ」が生まれるだけ。そもそも診察室で説明できんような診療なんかするなという話。セカンドオピニオンなら、直接やればいいだけ。

 結論を言ってしまえば、全診療録(カルテ、検査票、フィルムデータ、看護記録等)を、患者が現在進行形で完全保存するシステムが整わないうちは無駄。
 保存できても、第三者の専門家が自由検討できるシステムが保証されないと無駄。カルテが正確に読めるような患者なんかいない。

 ついでに触れるなら、個人情報保護法によるカルテの任意開示は、「百害あって一利なし」の現状で、医療過誤の調査として「やってはいけない鉄則その1」。患者が任意開示を請求した時点で、偽造カルテで迷宮入りの覚悟が必要。カルテをきちんと入手したいのなら、押しの強い弁護士随行で証拠保全あるのみ。