協力医師(3)獲得方法

【協力医師(3)獲得方法】

 さて。どうやって医師を捕まえるか。
 これといった決定打はない。


 僕は、全都道府県の弁護士事務所(医療事件の研究会)に順に電話もした。紹介は可能か? と。これは全滅。唯一、沖縄県の事務所の応対に、共感の励ましを頂いたことが印象に残っている。
 このグループは、それぞれが協力医師を握っている。しかし、それをオープンにしない。オープンにしない理由は、医師の安全確保だけでなく、協力にはそれぞれの条件となる人間関係があるからだろう。誰にでも知らせて問題がこじられたら、紹介した人の責任問題にもなるからだ。だが、それにしても「せこい」の一言に尽きる。さすが弁護士、他人を信用しないのである。見方を変えれば、人脈こそが弁護士の「銭の元」なのである。世の中の金銭感覚のおかしさは、こんなところにもあるのだ。
 文献からピックアップして、弁護士事務所から打診してもらった医師は、全滅。紹介状をもって、新幹線で挨拶に行って断られた相手も複数いる。コネだけでは苦しい。
 総計では、50人くらいの医師に打診した。
 意見書を書いてくれないかと依頼しただけで、断わっておきながら金を要求してきた医者はひとりではなかった。この感覚。たまりませんわ。


 結果的に、重要な位置を占めた協力医師は、インターネット上で出会った人々だった。掲示板などの文字だけだったが、気持ちが通じるところがあったのだろう。たまたま出会った。このインターネットの相互通信の威力は、あなどれない。

 U.S.オフィス医療のページ 「私はインターネットで闘った」
http://www2s.biglobe.ne.jp/~uso/
 これです。これ(^o^)
 WEBは、協力医師の獲得に非常に有効。なんとかして、直接のメールアドレスを教え合うこと! なんとかして、住所を聞きカルテをみてもらうこと。

 ちなみに僕が獲得できたのは、医師1名と薬理学者1名、医学生1名。非公開意見で医師1名。
 この人たちには、とても感謝している。
 特に医学生(現在は本物の医師)は、誰も協力してくれる医者がいないときに、半年間以上もメールで医学の授業をしてくれた。被告の反論を分析解説してくれた。いつも励ましてくれた。10センチ厚のファイルは、メールのプリントアウトでいっぱいになった。裁判所に提出した意見書も書いてくれた。裁判所からは、医者ではないので証拠価値は低いとされたが、もう、涙が出るほど嬉しかった。


 他に留意したい点では、狙いは名誉教授。
 権威なり肩書はあるが、仕事は現役よりは忙しくない。遠慮したり気を使う相手も少ない。堂々と自分の信じる意見を書いてくれやすい。 問題は、どうやって接触するかである。