どっひゃああ3・26だったああああ

 1978年3月26日。管制塔は破壊された。
 正義とはこういうことを言うのである。

 高いところを壊した青年は、その後十年ほど刑務所で暮らして、ひとりを除いて、みな、なんとかお元気のようです。
 法廷の傍聴席で自分から名乗って逮捕された管制塔占拠作戦の司令官も、横堀要塞戦の司令官もお元気です。

 前夜から地下道に潜んだ占拠部隊は、定刻午後1時をもって、マンホールから飛び出しました。警官を振り切って、管制塔に向かって全力疾走しました。横堀要塞では、敵の主力を引きつけての奮戦中です。空港内へは、複数のゲートを破壊して、各大隊が一斉に突撃を敢行しました。同時多発の陽動作戦です。
 占拠部隊は、1階に防衛隊を残して14階までたどりつきました。しかし、管制室への扉が破れません。14階のベランダにさらに防衛隊を残して、外側のパラボラアンテナから15階の管制室によじ登り、窓を割って中に入りました。管制室にいた空港の職員は、天井から上に出て行きました。

 あのとき、警備本部は崩壊しました。各所へ展開する機動隊への連絡は途絶えました。その一瞬、日本政府は陥落したのです。

 27年後、破壊した管制塔の代金3千万円に利息をつけた1億円損害賠償攻撃に対し、全国から結集した仲間がカンパを行い、実質3カ月で1億円を集めきりました。今度は僕も間に合いました。連帯基金運動に参戦することができました。ありがとう。

 また、やりましょう。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇

レッドモール党資料集より転載。
〜〜〜ψψ転載開始ψψ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1978年3月26日、管制塔は破壊された
染谷の婆さん
 うれしかっただよ。三里塚公園で集会の最中、大勝利した、空港を占拠したって知らせあったの。もう大変な拍手だった。
 夜テレビでみたの。高いところ壊した青年、にっこり笑って出てただよ。
 青年たちの心、農民の心と変わりねえべえ。変わらないどころか、神様だよ。いくら反対同盟がんばっても、あんだけのことできやしねえ。
 そしたらよね婆さん生きてたらどんなに喜んだかって思って、集会終わったらすぐよね婆さんの墓へとんでいっただよ。東峰の共同墓地のまんなかにいるだよ。死ぬまでいい目に合わなかったもんな。せっせと働いて、畑も家も公団にとられちまっただよ。
 で、掌合わせてよね婆さんにいっただよ。青年がえらいことしてくれたぞ、飛行機とめてくれたぞ、大勝利だぞって。

戸村一作
 権力の中枢部、心臓部をぐさっと突きさしたという状態だな。機動隊の数は14000、沖縄を除いて日本列島からかき集めたということで、大変な警備だと思っていたわけですよ。ところがそうではないということがわかった。今回の闘争は、労働者人民がやればできるんだ、先陣をきったといえる。
 コントロールタワーにのぼって闘った10戦士は、日本のコマンドとして大いに学ぶべきものがある。敵も大敗北を認めざるを得なかったし、われわれの勝利はあきらかである。

三浦五郎
 空港への突入−占拠は、第一公園の集会場で聞いた。あれは空港の心臓部だから、まったくの勝利だと思っています。やはり今までの闘いのなかで合法的な闘いが多かったが、今回のような闘いも必要だと強く感じさせられました。廃港にするまで。今までの考え方を大きく変えて、ああいう闘いをも考えていかなければと思うんですね。
 とにかく感慨無量ですね。

小川むつ
 当然やるべきことはやったというのが率直な感想だな。やっぱり「包囲−突入−占拠」ですね。二月は4戦士だったが今度は10戦士でしょう。完全廃港に追い込んでいるということが実感となってきたね。

柳川初江
 管制塔が占拠されたと聞いてうれしかったよ。来るべき時が来たからよ。本当にうれしかった。要するにスカッとしたよな。こんなにうれしいことはなかったよ。本当に。
 テレビで強制測量からよ、少年行動隊など13年間の闘いを特集していたが、そのなかでのもやもやを晴らしてくれたよな。警備陣が「こんなはずではなかった」といっていたが、いい気味だよな。

                                                                                                                                                              • -

お母さんは今、けいむしょにいます
 真輔、元気でやっていますか。お母さんは今、千葉けいむしょにいます。真輔もよく知っているように、お母さんは、三里塚のお百姓さんの土地を、いやだというのに力づくでとり上げて、まだ住んでいる家をブルドーザーでつぶしてつくった、なりたくうこうに反対し、やめさせるために、たたかったのです。そうしたら、きどうたいがお母さんをけしからんことに、たいほしたのです。お母さんは、この千葉けいむしょにいます。でも心配はいりません。とっても元気ですから。
 しばらくの間は家に帰れません。
 ここは東京から1時間ぐらいのところで、三里塚の近くです。遠いので真輔はあいにこれませんので、あうかわりに手紙を出しあいましょう。お母さんもたくさん書いて送ります。真輔も学校のことや、友達のこと、いろいろ書いて下さい。手紙は書いたら、ちゃんとわたして出してもらいなさいね。
 お母さんは正しい、正義のたたかいでつかまったのですから、なにもクヨクヨしていません。
 真輔はテレビで「ラセーヌの星」をよくみていましたね。ラセーヌもフランスの国王が労働者やお百姓さんを苦しめていたので、国王とその手さきのへいたいやけいさつとたたかった物語ですが、お母さんはラセーヌのようにかっこよくはないけれど、同じような考えから、たくさんの仲間といっしょにたたかっているのです。(略)
 ここのけいむしょにも、そんなお母さんの仲間が200人くらいいます。だから、お母さんは一人ぼっちではありません。真輔としばらくあえないのはさびしいけれど、二人ともそんな弱虫じゃないから、だいじょうぶだよね。お母さんが心配なのは、たった一つです。それは真輔が重い病気や大きなケガをしないかということです。だから好きなものばかりでなく、食べにくいものもたべるようにして、自転車に乗るときは、四ツ角などはよく気をつけて、お母さんが帰るまで元気でい下さい。
 では元気でね。また書きます。真輔の手紙をまっています。
 (はれやかなる黙秘」柘植書房より)
〜〜〜ψψ転載終了ψψ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

【裁判は3回できる。これは嘘】
 再び同じタイトル( °- °)

  小学校や中学校の先生は、裁判は、地裁、高裁、最高裁と3回の裁判ができると教えているだろう。これは間違い。
  裁判の段階が3段階あるだけ。裁判そのものは1回だけで、判決が確定したら、それで終り。
 
  だから、「再審請求」なんて言い方がある。「もう一回やろうぜ」つまり、それが「2回目の裁判」だということだ。 これが認められた民事なんてあるかあ? ん。一応はあるかあ。でも、滅多にない。
  刑事事件の再審では、文字通り決死の死刑判決でも、そう簡単には認められない。

  再審が少ないのは、再審が裁判所にとって「事件」だからだ。
  司法は、間違えてはならないのだ。というよりも、司法は、「間違えない」という大いなる幻想で成り立っているのである。たとえ間違えても、認めるわけにはいかないんだな。
  真実の問題ではない。サッカーや野球の審判と同じ。「あんた(裁判官)が、真実」それが戦闘のルール。


控訴審は、一審の延長戦】

  地裁(一審)のあと、内容に不服があると、高裁(二審・控訴審)に進むのだが、これは一審の延長戦にすぎない。簡易裁判所から出発する場合ちょっと言い方が違うが、まあいい。

  延長戦なんだから、同じ争点は、条件が変わらない限り審議をしない。 条件とは、新たに付け足す証拠。それが裁判所に認められない限り延長戦はない。
  控訴棄却は、公判(民事は口頭弁論)一発目で出ることが多い。法廷は1分で終る。いや、十数秒で終る。
  だから、弁護士は、これを回避して、戦闘が再開(延長戦に突入)できるよう、控訴理由書にありったけの知恵を絞る。

  そして、延長戦は、争点が限られているから、進行が早い。
  延長戦を前に事件全体をじっくり見直してみたら、他にも攻撃ポイントがあったと気付いても、その証拠を入手するだけの時間がない。
  いつ何どき、家宅捜索が入るやも知れぬ僕としては、これは怖い。

  僕は、刑事事件(犯人側ね)の控訴審の応援でそれを味わったことがある。
  事件は一審で有罪となった。冤罪であると考えた支援者は、手分けして証拠を集めた。弁護士も弁護士照会でやれる調査を分担した。どの証拠、どんな証拠が足りないのかは、一審の判決理由をたどればわかる。
  だが、あと一歩で阻まれた。関係者は誰も証拠を出さないのだ。お前のの手元にある書類、それを見せろと言っているだけのことだ。あんたが見たことを法廷で話してくれ、それだけのことだ。でも、駄目なんだ。くだらない世間体にこだわる愚か者だらけさね。
  時間切れだった。彼はやってない。しかし有罪となった。

  こんな事件は、たくさんある。というより、ほとんどの刑事事件がそうだと言っても過言ではない。たいていは、やっていないことまでやったことにされているし、詳細が違っている。だから、絶対にやっている犯人でさえ不服に思うのだ。

  これに裁判迅速化法がさらに拍車をかける。裁判員制度もこの迅速化法のために出来た制度なので、裁判員制度の実態は審議の簡略化にすぎない。お忙しい市民のみなさんが参加するから、早く片づけないと裁判ができないのだ。集中審議3日。途中で「ちょっと待った」は無し。それがルールだ。
  裁判員制度は、こんな恐ろしい裁判なのだ。裁判員が死刑を決めるのは気がとがめるどころの話ではない。
  集中審議を途中で止めないために、「公判前整理手続き」が必須となった。検察側と弁護側が、公判前に、裁判のレース展開を打ち合わせをするのだ。争点整理と言えばなんとなく格好がいいが、検察がこう言って弁護がこう言う、そういう予定表づくりだ。裁判官は、その時点で判決文まで書けてしまう。こんなもん、八百長レースと同じである。民事で言えば準備手続きのようなものだが、その手続きで出ていない話はしてはいけないことになっている。集中審議の途中で気づいた話があっても、それは認められません。
  つまりは、ガチガチの出来レースになるのです。
  裁判員に「どうでしたか?」などと質問して、先を争って報道されることが、いかに末梢な滑稽さをもっているか、おわかり頂けるであろうか。あたかも、判決が裁判員の責任であるかのごとく演出されているのである。
  裁判? めんどくせえな。時代が時代なら即刻銃殺だ。この考え方がおかしいと思う人は、それが裁判員制度と同じ志向であることを認識すべきなのだ。

  医療裁判でも、裁判迅速化法の下で裁判の進行が早くなるから、今後ますます提訴前の念入りな準備が必要になる。医師意見書が間に合わなくて、涙をのんだ原告がどれほど多いことか。